スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

今日を予見した『七次元よりの使者』の小説1

世界文化遺産に認定されたこともあり登山ブームと重なって何かと注目が集まっています富士山ですが、
今から37年前の1976年に発刊された五井野正博士著『七次元よりの使者』第2巻”富士は燃ゆの巻”に経済不況を脱出するために富士山の異変を利用する野心家の政治家が描かれているのでご紹介します。

月間『ザ・フナイ』2013年5月号vol.68より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日を予見した『七次元よりの使者』の小説

ところで、今回のニュートンの原稿は少々難しい面もあったと思うので、骨休みに37年前に出版した私の『七次元よりの使者』第2巻の小説の一部分を改めて読んで頂きたい。と言うのも、その当時はやや難解だったかもしれないが、今においては日本の現実と相似している状況なので、私の原稿をずっと読んでくれたザ・フナイ読者なら、ここに来て、やっと私の小説の真意を味わうことが出来ると思うからである。

そこでまず、第2部、”富士は燃ゆ”の小説のあらすじをここに簡単に述べてみると、時代の設定は暑い夏が続き、地震や火山噴火が異常に増え、富士山に異変が起きてUFOが飛び交う状況の中で、長い経済不況を脱出するために地震などの災害対策事業に政治生命をかけた1人の野心家の政治家が動き出す。以下は87ページ5行目より、


時に日本はジワジワと地震問題が騒がれ始めたばかりであった。ゆえにその対策はと問えば各省庁とも一本化せず対策の前に予算をと政府の出方を待つといった具合であったから上木氏の行動は政界内でも目立っていた。

しかし、傍目の議員には地震問題はまだ国家の重要問題とも感じておらず、そうした上木氏の目立った行動は国土庁長官に新任になったからだろうと軽く受け止められていただけであった。

むしろ、彼は国土庁長官になるまでは目立たない小心者の様に周りから見られていたからなおさらであった。だが彼はいつの間にか野心家に変わっていったのだった。

人間は一生に一回は夢に燃えるものだ。慎重な人間はじっとへびの様にチャンスを待ちいざ自分のパートを捉えたら時としてそのパートを通り越してでも野心家に変身する場合は多い。上木氏もまたそうであった。

「列島改造論?いやいや違う。皆さん方を災害から守る事こそこれからの国土庁(※1)の歩みだ。国土庁が先兵となって後に建設省(※2)・自治省(※3)等の各省庁がついてくれればいいんだ。今、我々の敵は自然だ。自然こそ我々に容赦なく災害をもたらす。それを守るのは誰だ!私が守ると言った者が一人でもおるか?ええー。誰もいないじゃないか!それならよし俺がやってやろう!俺の一生をかけて皆さん方の生活の安全を守ってやろうじゃないか!そう私が決意したのです。どうか皆さん方、私の約束を覚えていて欲しい。上木又次郎、必ずやその約束を果たしてみせようじゃないか!」

場内は興奮の拍手で埋まっていた。上木氏の顔面はこの日の為に作られたかの様であった。彼自身、一神になった如く自分の演説に有頂天になっていた。彼の野心は地震災害の危ある各地に次々と講演会を開かせたのである。国土庁高官という肩書きを最大に生かして。

「お宅の会社の直下方地震耐久用の建築技術は素晴らしい。今度、こういう法案が十通ったらお宅に有利だと思うんだが・・・・・・。」

上木氏のこの様な会話は又別な所でも語られた。

「5メートル以上のビルの窓には法令で破砕ガラス等を強制的に義務づける事も考えている。地震が起きたら空からガラス破片が雨の様に降ってきたら大変だからな。だから法案が通ったらお宅の会社は莫大な利益を得る事になると思うが・・・・・・」

上木氏は財界に太いパイプラインを作りあげると共に各地を廻って地元の有力者達と密接な関係を計り、政界の中にジワジワと頭角を頭角を現し始めていた。当然多くの資金が必要であった。


と、小説のように耐震大型事業政策が進められている今日の日本の姿に似てくるが、この小説に登場する野心家の上木代議士に対抗して中野代議士が新都市計画論をぶつける。新都市計画論はやがて首都移転論に変わってゆく・・・・・・以下は97ページ4行目から、


「しかし、安藤さん。十年も待っていられませんよ。富士は燃えるんですよ。」

「何・・・・・・富士は燃える?本当かよ大ちゃん!」

「ハハハハハ。そういう筋書きでこれから始まるんですよ。実際富士山が噴火したら困りますがね。どっちにしても東京は過密都市だ。野党が東京都を抑えているような現状じゃ改造計画は困難だ。

そこで中野先生に新都市計画論を発表させてそのイメージを売り付けるんです。各界の専門家達を先に集めて懇談会を開く。時に乗ればマスコミも取り上げる。導火線となるのは富士山噴火論だ。

世論が騒ぎ始めれば総理府から金を出させる。マスメディアを使っての総合プロジェクトだ。だから今の内に御用学者を手中に入れておく事。それも権威のある人間よりも人気のある人間だ」

「人気があるだけじゃ信用がないんじゃないかなあ」

「いや、今は戦後です。もう戦後教育を受けた人は過半数を超えているんです。彼等は権威とは何かという事を知っているのです。これからの日本を考える時、もう年よりの考え方は聞いていられないのが現実です。

彼等は過去の日本に生きている人達ばかりですから。それに老人は保守的です。彼等はもう固定した支持者を持っているから票にはなりません。第一、体質から言って新都市計画論に支持するのは資本や固定した家を持たない若者達を原動力としなければ出来ない計画です」

「そりゃそうだ。喜ぶのは不動産や建設屋ばかりじゃないからな」

「そうです。それで若い代議士からその事を提案して呼びかけてゆくヒーローを作る事が第二の仕事です」

「これは革命的だな」

「そうそう。若者自体が革命者なんです。もう野党のポーズも飽きられてます。そりゃ、前は右党は老人ばかりを相手にしたから野党が若者受けの政策や主張を取り入れて革新のイメージを作りましたが、今は時代が違う。右党も若者の主張をどんどん取り入れている。

もう若者を労働者だけとしてみず、購買者として評価しているし、それに今まで日本は貧乏すぎて輸出オンリーで若者達を過小評価し過ぎた。しかし、今は輸出輸入とも国際舞台の第一線に日本は立っている。

語学でも国際感覚という点でも、もう若者の力に全面的に頼る時代になっている。
その是正がもうためされる時代なんです。

だから若者の夢と希望を与えるビジョンをどんどん作って次の日本を作るしかない。
それが出来ないのはもう政治家として失格です!」



と、ドラマは続くが、この文章も何となく今の状況を表している感じがしてくるだろう。富士山噴火論の本も書店にずらっと並ぶ今日、NHKを始め、マスメディアが一斉に噴火したように富士山の異変や噴火対策に騒ぎ出している感がする・・・(続く)

※1 国土省:現国土交通省、※2 建設省:現国土交通省、※3 自治省:現総務省 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


富士山噴火が言われて久しいですが、次回はもう少し大きな視点でプレートの上にのっかている日本列島がプレートが動くとどうなるのか、五井野正博士の著書『七次元よりの使者』よりご紹介いたします。

(続く)



↓応援ポチをよろしくお願いいたします

人気ブログランキングへ

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 政治・経済・社会問題なんでも - ジャンル : 政治・経済

コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。