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七次元よりの使者6

宇宙船内の続きです。

五井野正 著『七次元よりの使者 第0巻』より引用します。

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母船は油の中を滑っているかの様に静かに運行していた。この母船は円筒形で長さは八百メートルあった。この母船の横と後に同じく母船の編隊が列をなしていた。母船は単独で動く事が多くこの様に編隊を組んで行列するのはまれであった。


太陽系に重大な何かが起きるのだ!


ピーピーピー 緊急事態発生の警告音である。

「こちら、地球観測機の総合本部である。地球に常備配置した観測機は全て地球の磁場の急激な変動を観測し送信してきた。映像による確認では地球上に輪の様な物が発生、データーによれば地球の地軸は現在三十度に傾いている事が確認されている」


この突然のニュースに雄一やウイリットンは棒立ちになって室内は一瞬の内に静まりかえった。

「ただいま土星より円盤の緊急発進の準備が進められており、母船はただちに回収する体制に入るよう指示が出されました」


ウイリットンや他のメンバーたちは息を切る様にして動き出した。雄一は一体何がこれから起きるのか不安になり、ウイリットンの後を追う様にして声を出した。


「地球は、地球はどうなるのですか?」


ウイリットンは後をふり返る余裕もない程に動揺していた。

「わからない。早過ぎる。早すぎるんだ。我々は早くともこの事態が起きるのは早くても今年いっぱいかかると思った。たったこの二~三日中に地球は大きく変化してしまった。我々のコンピューターはまったくこんな状態になる事を計算していなかった。一体、一体地球に何がおこったんだ」


雄一はその強い口調に言う言葉がなくなってしまった。一人取り残されて椅子に坐っていると先程の金髪の女性がコップに飲物をそそいで持って来た。


「雄一さん。大丈夫よ。前もこんな事があって奇跡的に助かったんだから。地球にはまだ私達の知らない未知の力があると思うの」


「僕もそう思うね。僕の地球だから」


雄一は笑って応えた。金髪の女性も笑顔で応えて又、忙しそうに部屋を出て行った。
雄一は又、取り残された。一分がまるで十分、二十分の様に感じ始めた。


ウイリットンがやがて部屋の中に入って来た。

「雄一さん。残念ながらこういう事態になって地球に貴方を戻す事は難しくなってしまいました。今、アメリカのUFO連絡協議会に地球の事態変化を送信したのですが、どうやら混乱状態に落ち入っている様です。ヨーロッパではまだ目立った動きはみられない様です。ヒマラヤでは一部の人達が集まり始めている様ですが分断されています」


「日本のコスモス総合研究所は?」


「今、何度も送信している様ですが・・・」


ドアーの開く音がしてウイリットンが振り向くと金髪の女性が声をかけた。

「ウイリットン船長、コスモス総合研究所と交信が地球特別調査船で行われているそうです」


「そうか、石川さん。君達の仲間と連絡が取れた様だ。詳しい事はコンピューター記録装置室に行けば交信文が読めるはずだ」


再び一人のメンバーが部屋の中に入って来てウイリットン船長に伝言文を渡した。船長はそれを受けとって読み始めたが顔は深刻な表情をしていた。


「石川さん。どうやら地球の時空間は最後の状態において狂ってしまったようです。我々の観測機は地球上で異なる時空間を観測したデーターを送ってきています。これは最悪の状態では地球自身が分解してしまう事を意味しています。つまりゼロ次元化です。そして今、土星では連盟会議が行われているようです」


ウイリットンはそう言葉に出すとあとは無言で又、部屋の外へ出ていった。雄一は又、椅子に座った。
ドアを静かにあけて入ってくる女性がいた。雄一は気がつかない様であった。


「雄一さん」


雄一はその声に驚いた様に反射的に振り返った。チルリである。

「あ、チルリさんだったっけ」


「ええ・・・地球は困った事が起きた様ですね。もし良ろしかったら気分直しにスカイラウンジに案内しましょうか?地球の姿が見えると思います」


雄一は喜んでうなずいた。チルリは雄一の手に触れ静かに部屋の外に案内する様に出て行った。


外は長い廊下になっていた。百メートルばかり歩いて右横のエレベーターに乗るとエレベーターのドアーが開かれた途端、雄一の目に印象的な宇宙の実像が目に入った。


宇宙は真暗で無に等しいといった知識はまるで虚事の言葉である。確かに宇宙は暗い。しかし、時々流れる無数の隕石はなお黒い固まりとしてハッキリと見える宇宙空間はまだそれから比べるとずっと明るいのである。


「あの光っている物は円盤ですか?」

雄一の見た物は無数のホタルの様な発光体であった。


「いいえ、あれは生命の核です」


生命の核?」


「そうです。地球ではこんな事は理解出来ないでしょうが、この宇宙空間は天の海と言った方が適切でしょう。あの光っている物は宇宙の海に浮かんでいる生命体なのです。大きさは質量として量る事は出来ません。あの発光体が様々な星に降りるとその星の低級組成物質を取り込んで生命体を同じ様な状態に高めてゆくのです。それが肉体として表現されているのです。あの発光体は一つ一つが英知の結晶なのです


英知の結晶?」


「そうです、英知は生命と同質、同質量なのです


英知は生命と同質、同質量・・・”

雄一はその言葉を印象深く記憶に留めていた。


あの生命体は英知によって光るのです。英知が失われれば光も薄れていきます


雄一は何となくわかった様な気がした。つまり英知=質量ではなく、英知がこの宇宙の生命体と溶け合い、それが様々な星に降りた時にそれよりも低い次元の物質を取り入れ英知の目的により組み立てる為に英知そのものが既に質量を制御しているからだと考えたからである。


宇宙の生命体の中に私達がいるのです私達は創造神の一部分なる英知の顕れとしてこの宇宙の生命体と混合して人間という表現体をとっているのです


「素晴らしいですね」


雄一は母船から見る宇宙の姿に将に心がこの宇宙空間に帰する想いにかられた。


「そう、宇宙って素晴らしいんです。だからそれ以上に人間て素晴らしいんです私達のこの喜びは又、この宇宙の生命と創造神の喜びでもあるのです。きっと美しく愛し合っているんだわ・・・・・」


チルリは触れていた雄一の手を強く握りしめ雄一の目をじっと見た。
二つの心臓が強く結ばれた手を通して鼓動し合い始めていた。


雄一はもう一方の手をチルリの背中にあてゆっくりと引き寄せた。チルリの美しい胸の曲線が雄一の胸に沈みこむと唇と唇とが静かに重なり合い息の漏れる音が心臓の鼓動をさらに高めていた。


チルリは息苦しい声で

「下のラウンジへ行きましょう。二人で休みたいの」


雄一はチルリに誘われるままラセン階段を降りている時にふと脳裏に何か呼び覚すものを感じた。


前にもこんな事があったような気がする。記憶以前に。いつの日の事だろう・・・・・”


地球は不気味な程にこうこうと輝いていた。

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まだまだ続くのですが、一旦ここで止めます。

(続く)


七次元よりの使者1
七次元よりの使者2
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七次元よりの使者4
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